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スーパーリアリズム
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。

今年は台風が頻繁に日本列島を直撃していますが、釣り人にとって水場は身近な物であるだけに水害などには特に注意して下さい。

台風時は、普段あまり出来ないタックルのメンテナンスなどをしてはいかがでしょうか。


さて、皆さんはスーパーリアリズムという言葉をご存知でしょうか。

美術やデザインに興味が有ったり、少しでも携わった方であれば一度は見聞きしたことがあると思います。

スーパーリアリズムとは、 1960年代から70年代にかけてアメリカやイギリスを中心に現われた細密描写の方法で、 写真を超えた写実、極度のリアリズムを追求したアートの総称で、抽象表現主義の対極を成す超写実主義のことです。

実物を忠実に描き、まるで写真を観ているかのような物の質感、光沢などを再現した表現方法です。

このスーパーリアリズムの流れはルアーにも波及し、1970年代にアメリカのレーベル社がフォトプリントを使用してルアーに初めて採用したと言われています。




レーベル社のリアルイミテーションルアーシリーズを筆頭に、バグリー社のスモールフライシリーズ、ボーマー社のリアルプリントシリーズなどが続き、各メーカーがレーベル社を追従していきました。

このフォトプリントの歴史は意外に古く、当時のプリンターレベルにもかかわらず、かなりの細密描写されていることに驚かれた方も居られると思います。




釣り人の、無機質なルアーを少しでも ホンモノに近づけたい、ホンモノに似せることによって魚をたくさん釣りたいという欲求の結果が、ルアーにリアルなフォトプリントを施工するというアイデアの発展に繋がったのではないでしょうか。

現代でもルアーに施すリアルフォトプリントは命脈を保っており、 今も昔も釣り人の求めていることは変わらないようです。

昨今のテクノロジー進化は凄まじく、ホンモノと見違えるような高度なプリント技術が開発され、様々な分野で使われています。

特に立体物にプリントする技術は目を見張るものがあります。


(これはリアルプリントではありません)
美味しく頂いた本物の鮎です。


20数年前の夏、私は東京の奥多摩湖にバス釣りに訪れた時のことです。

奥多摩湖は東京都の水源であり、小河内ダムとも呼ばれ人造湖であるために足場も悪く、 陸からのつり場も限られ、しかもボート釣り禁止の難解攻略なフィールドです。

湖の透明度は高く泳いでいるバスやオイカワなどの小魚すべてが丸見え、と言うことは魚からも人間側が見えている為でしょうか、警戒心の強いスレたバスばかりで普通にルアーを投げていても見向きもされません。

奥多摩湖には幾つかのインレット(小さい川のような流れ込み)があり、いつものお気に入りの場所に腰を据えて遠目から水中を観察していた。

インレットから本湖までは小さなワンドが所々にあり、7~8センチ程のオイカワの群れが岸辺近くでじゃれ合っているのか、

時折、「ギラッ」っと太陽光を鏡で反射したかのような鋭い閃光が所々で観られた。

蝉の鳴く声が頭上でこだましている中、インレット下流側から5,6匹の50センチを優に超えた黒々としたバスの群れが上流に向けて優雅に泳いでいくのを確認したが、直ぐにその姿は景色と一体となって消えていった。

私は中腰の姿勢の状態で、しばらく待機していたその時、対岸の小さなワンドの一つで突然ボイルが発生したのです。

バスに襲われたオイカワの群れは、蜘蛛の子を散らすような勢いで逃げ去り、一部のオイカワはワンド奥に追い詰められ、逃げ場所を無くして岸に打ち上げられた一匹のオイカワが、苦しそうにピチピチと全身をくねらせて悶えていた。

その様子を水中から一匹の腹を空かしたバスが、自分の体高より水深が浅い所で体を横に傾けながら 尾ビレを激しく動かし、今にも水面を割って襲いかかろうかと言わんばかりの体勢にバスの狩猟本能をまじまじと見せ付けられたのでした。

私は、バスのいる射程距離に届く範囲まで近づき息を潜め、ロッドにセットしていた4インチ程のノーシンカーワームを、岸に打ち上げられたオイカワの1メートル程先に投げ入れ、ゆっくりとリールを巻いてワームを水中に引き込んでいった。

「喰えっ」

と願ったが願い叶わず、バスはワームに見向きもせず、ただひたすら陸に打ち上げられたオイカワを睨んでいる状態でした。

バスに警戒心を与えないようにノーシンカーワームを慎重に回収し、自作の7センチミノーが付いたロッドに持ち替え、先程のノーシンカーワームと同じ場所にキャストした。

陸側に放たれた7センチミノーを水中側へゆっくりと動かし、陸に打ち上げられたオイカワの側を通過し、水面に入ろうとした瞬間、ワームには見向きもしなかったバスが突然7センチミノーに襲いかかり、水中へと引きずり込んで行った。


このような場面に出会すと、リアルなカラーリングのルアーも時には有効であると認識されます。

特にクリアーウォーターの釣り場では有効であると確信を持って言えます。

最先端のスーパーリアリズムを追求したイマカツの新技術がまもなくデビューします。
第一弾はアユロイド。ご期待ください。

それでは皆さん良い釣りを

 

 

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