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塗膜の話
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。

日増しに寒さが身にしみるようになり、 朝の冷え込みで布団から出るのが辛くなってきた今日この頃ですが、
皆さん寒さには強い方でしょうか。

私は暑さには強いのですが、寒さには滅法弱く年齢を重ねるに連れ、さらに弱くなったように感じます。

フィールドでは寒さを忘れるほど釣りに集中している為か平気なのですがね~

そうではなく、寒さを感じないほどの保温機能に優れたバウオの防寒着のお陰で、釣りに集中出来ると言った方が正しいかもしれません。


毎年お世話になっています。


防寒着を持っていなかった10代前半の頃は、服を何枚も重ね着し、上着にはジャージの上にカッパまで着込み、着膨れして身動きの取り辛い不格好な出で立ちで釣りをしていました。

昨今の化学繊維の進歩により、防寒着であるにもかかわらず軽量で動きやすく暖かいウェアが沢山誕生しています。

これからのシーズン、防寒着は手放せなくなりますが、もし持っていない方が居られたら是非とも購入をオススメします。

必ずや集中力と釣果がアップしますよ。


そろそろ冬眠ですな~


さて、ルアーのプラグにも服を厚着しているタイプ、薄着しているタイプが有るのをご存知でしょうか。

プラグの場合、服に相当する物は表面処理に使われる透明のコーティング剤になるのですが、このコーティングの厚さやコーティング樹脂の違いにより、ルアーアクションの性質が異なってきます。

一般的に同じ素材で出来たプラグであれば、コーティングの塗膜が薄いほどルアーアクションはキビキビとしたキレのある動きになり、逆に塗膜が厚いとアクションのキレが無くなりノタノタした動きになってしまいます。

コーティングの塗膜が厚くなるに従い、ルアーの重心位置が塗膜側の表面へ次第に移行してしまうためで、本来ルアーの重心位置は一点に集中している方が動き易く、重心が分散されればされる程ルアーアクションの反復運動が緩慢になってしまうのです。

だったらコーティングを施さなければいいじゃないか!

と言われそうですが、そう言う訳にもいきません。

プラグの素材によっては、木材のように吸水性のある物はコーティングの塗膜がないと水を吸って重くなり、次第に膨張して亀裂を生じたりします。

またプラスチック素材の物は、表面に施したホログラムシートや着色した塗料が紫外線や擦れ等により直ぐに劣化して剥がれてしまいます。

ですから、コーティングはプラグの内部及び表面の保護という大切な役割を担っているのです。

コーティングに使われる塗料の種類は多く、高硬度、耐候性、耐油性、耐磨耗性の優れている物など多種多様です。

代表的なコーティング塗料のメリットデメリットを紹介しましょう。


・セルロースセメント(硝化綿ラッカー) 比重1.35~1.5

○硬化時間が早い
○薄い塗膜でも強度が高い
○塗膜同士がくっ付き合って一つの膜になる為に剥離しない

×厚塗りが出来ない
×乾燥時間を取りすぎると次のコーティング時に割れる
×湿度に弱く白化してしまう


・ウレタン樹脂 比重0.93~1.11

○厚塗りが可能
○光沢性に優れている
○柔軟性があり割れにくい

×硬化時間が長い(2液製のタイプ)
×湿気と反応して硬化するタイプは湿度に弱く長期保存が難しい
×ウレタン塗膜の上にウレタンコートをした場合、塗膜同士がくっ付き合わない為剥離し易い


・エポキシ樹脂 比重1.1~1.4

・ウレタンよりも厚塗りが可能
・光沢性に優れている
・着色(ラッカーやアクリル)の色流れが無い
・柔軟性があり割れにくい

×粘度の高い物が多くコーティング時に気泡が入りやすい
×硬化時間が長い
× 経時変化が起こり黄変する

上記のように長所短所がありますが、使い手側の慣れやコツによって、ある程度の短所はカバーできると思います。

比重の軽い一部のウレタン塗料を除いては、水よりも重いために厚塗りをすればするほどルアーアクションに影響を及ぼします。

ですから、プラグの素材も考慮し、その素材に最適なコーティング塗料を選ばなければなりません。

単にルアーの見栄えを良くするだけであれば、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂を厚くコーティングすると艶めかしい仕上がりにはなりますが......


実は、イマカツの製品に使用しているコーティング塗料は、上記のいずれにも該当し無い物を使っています。

進化したセルロースセメントとでも言っておきましょうか、速乾性で塗膜が薄くても非常に強い為に、厚塗りをする必要が無く、 厚塗りの可能な、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂のように色の奥行き感は表現し難いですが、 ルアーのアクションを最優先で考えた結果、今のコーティング塗料に行き着いたのです。


カラーによってコーティング樹脂の種類も変えているためアクションに違いがあります。
その違いを見つけだすのも一つの楽しみではないでしょうか。

大きく成長し後は出荷待ちです。


それでは皆さん良い釣りを

 

 

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