株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ
『幻のブレード』
一時はもう諦めかけてた幻のブレード「リン青銅ナイフエッジハマードブレード」。
2年前にやっと完成した直後、海外生産拠点の工場の雲行きが怪しくなり、待てど暮らせど完成せず…
イマカツはプラグ類は純国産ですが、ジグ・ワイヤー系やワームはコストと環境問題上、海外で生産してます。
ま、ほとんどのルアーメーカーはプラグも含め海外生産ですけど。
その海外の一大生産拠点の会社が一昨年、突如完全に消滅してしました…。
開発中のルアーも、既存製品の金型も、全部なくなっちゃいました…。
既存製品の金型も一から作り直しですわ。
被害を被ったルアーメーカーは数知れず。
とても技術力のある優れた良い工場だったんですが、いろいろと国の複雑な事情のようです。
通常のスピナーベイトとかに使われてる真鍮をメッキしたブレードと違い、燐青銅は何かと加工が大変な金属です。
特に細かいプレス加工は難しい。
燐青銅の比重は鉛に準ずる高比重なのに、剛性、反発力が抜群なので極薄に加工しても適度に「重さ」を維持したうえで剛性も残せます。
重さがないとブレードってめちゃ大振り、スカスカな回転になります。
透明なブレードは夢のブレードですが、プラスチックブレードは樹脂の中では高分子なポリカですら軽すぎて大振りになってスカスカで話になりません。
水を掻き回すのではなく、水から逃げて回されてるって感じ。
さらに凹面加工すら難儀な上、ハンマード加工は至難の業。
最初はなんとかハンマード模様に出来てもエッジが波打ちすぎて、逆に水を掴み損ねてしまう始末。
燐青銅でもハマードにしたらスカスカな感じになってしまいました。
そこで試行錯誤の末、完成したのがナイフエッジ式の燐青銅ハマードブレード。
イマカツオリジナルのナイフエッジ・アバロンブレードを応用したら抜群の立ち上がりと巻き感がシッカリ出ました。
ブレードはまずは最初に水を切り裂くエッジが命なんですわ。
加工はさらに難しいものでしたが、ようやくベイトフィッシュライクな乱反射と、プレーンとは違った波動を出す世界初な「ハマード燐青銅ブレード」が完成しました。
で、、、、、その直後、生産するべき工場が無くなったわけで…泣。
でもせっかくチャレンジしてきたゆいつむにの燐青銅ハマードブレード、、、苦節2年を経て再現に成功しこのたび遂に蘇りました。
ホンマ、天才は忘れたころにやってくるですわ。
天災はいらんけど。
何気に前後同じ形のWウィローリーフに見えますが、「前後非対称、大きさも幅も微妙に違う完全別設計」のWウィローなのです。
アームもボトムスローから超高速対応できるよう、クランクワイヤー形状にアップデートしてます。
サイズ感はジンクススーパーヘビーよりかなりコンパクトなWウィローとしてはコンパクトサイズ。
ヘッドはジンクスミニ1/2ozと全く同サイズってのがキモのキモです。
だからちっさいのに浮き上がりにくいし、パワーのあるWウィローも受け止められるわけです。
で、浮き上がりにくいが故に、超遠投してからのドシャローでの超高速水面直下ガーグリングも設定済み設計です。
1/2ozで爆速巻きしたら大概のスピナベは水面ブレイクで破綻しますからね。
パワーあるWウィローだと特に。
コイツはリザーバーでの岩盤縦巻きやディープスローローリングのみならず、自然湖で大遠投して、竿先を水面に押し付けるようにして、全開爆速巻き&モンドリリアクションバイトって、使い方も想定した深浅共用ジンクスミニなのであります。