イマカツルアーデザイナー
長井健太公式ブログ

豆バッツの誕生!!
こんにちはルアーデザイナーの長井です。
2025年に入り、試作サンプル作製に毎日バタバタと慌ただしく過ごしているせいか、例年のごとく一月はあっという間に過ぎ去ってしまいました。
現在、数アイテムのルアー試作を同時進行で行っており「ああでもないこうでもない」といつも脳をフル回転させ(ているつもりですが)試作作業を行っています。
今年は面白いアイテムが目白押しとあって発売まで楽しみにしていて下さいね。
さて、イマカツ初、エリアトラウト用マイクロバッツこと「豆バッツ」が出荷され、そろそろ店頭に並び始めるのではないでしょうか。
[上からビッグバッツ、ワドルバッツ、リトルバッツ、末っ子の豆バッツ!]
昨今のエリアトラウト人気は過熱しているほどで、平日休日問わずこの時期の管理釣り場はどこも盛況で予約が中々できない釣り場もあると聞きます。その場で捌いて調理出来る施設が完備されている所も多く、また手軽なタックルで誰でも楽しめることもあってアウトドアレジャーとして人気を博しているようです。
実はイマカツもエリアトラウト用にワドルバッツの縮小改良版を十数年前に試作していました。それが豆バッツの原型であり、当時マイクロバッツと呼んでいたもので、ちょうどワドルバッツ、ビッグバッツが一世を風靡していたころ、バッツのチドリはトラウトにも効果があるのではないかと思い金型まで製作し、当時のテストでもトラウトにチドリアクションは効果がありました。しかし当時のイマカツには、エリアトラウトに関して誰も知的探究心が湧いた者がおらず、いつの間にか忘れ去られたルアーになってしまったのです。
[この黄ばんだ初期モデルの成型品が時の流れを感じますね(画像上)]
時は流れ、イマカツのモニターでありスーパーキラービルで数々の良型トラウトを釣り上げ、デカマス釣り師として知られるハンターハンターさんが、トラウト用のバッツがあるという過去の記事を覚えていて、現代に合ったルアーへとハンターさんのアドバイスのもと、何点か金型修正を入れ、豆バッツは日の目を見る事になったのです。
[十数年前の試作だったこともあり試作完成品を持っている人も居なく、内部ウェイトの重さ等のデータは皆無、ワドルブレードもゼロからのスタートでした]
エリアのトラウトにもルアーのチドリとワドルブレードのフラッシングは、大変有効である事がテストで再三確認でき、直線軌道から時折発生する左右への軌道の乱れは、トラウトがルアーに興味を抱かせる効果は十分にありました。また、ワドルブレードが発するスプーンの様なフラッシング効果がバイト誘発に繋がっているようです。
一方でチドリ幅が大きいとルアーを見失うのか、もしくは不自然な動きに警戒してしまう為か瞬時に喰うのを諦めてヒットに繋がらない事も分かり、最終的に微チドリ設定にすることにしたのです。
[チドリの要でもあるワドルブレードは、ルアーボディが小さいだけに重さの設定が百分の一グラム刻みで試作、素材や板厚の選定、最終的にはメッキの厚さまで指定し調整しました]
エリアのトラウトは、生きた昆虫や小魚を餌にしているネイティブトラウトとは違い、捕食している餌がペレットと呼ばれる粒状の人工飼料で育っている為、ネイティブトラウトには無い独特な捕食行動があり、それがかなり影響しているのか小魚が逃げ惑うような左右のダートや激しいチドリのアクションでは魚が警戒し、ルアーを見切ってしまう事が多々ありました。
[エリアのトラウトが餌としているペレットに似せたカラーに反応が良いのも頷けますが、正反対の蛍光色に反応が良い時もあってそこがまた面白いところ!]
また、エリアのトラウトは目の前に落ちてくるペレットを餌にしているため、横方向の動きをするルアーに違和感があるのかバイトが大変浅く、フッキングに至らない事が多かったので、出来るだけスローでもアクションするように再度設定し直し、現在の形になったのです。
[他のバッツに比べデカイリップが特徴の豆バッツは、最大潜行深度2メートル。好みのレンジに潜行させた後は、ルアーのアクションを竿先に感じ取れる速度で出来るだけスローにリトリーブします]
今回出荷された豆バッツのフックには、マイクロバーブが付いていますので、各々の管理釣り場のルールに従って下さい。バーブレス指定の管理釣り場の場合はバーブをペンチ等で崩して頂くかバーブレスフックに交換をお願います。
大の大人がムキになるほど面白いエリアトラウトを始めてみてはいかがでしょうか。
それではみなさん良い釣りを