IMAKATSU イマカツ

IK

K.IMAE TOP SECRET!

イマカツルアーデザイナー
長井健太公式ブログ

God Hand KENTAS Design Lab

マイクロ鱒マックス誕生!!

こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。

最近の日中関係、ニュースで見るとピリピリしていて「次から次へとまたか~」って感じなのですが、実は私達の「財布」にも地味に響き始めています。ガソリンもそうなのですが特にタングステン素材の価格高騰に悩まされているのではないでしょうか。ルアーのウェイトボールはもちろんのこと、バレットシンカー、ネイルシンカーにジグヘッド、ジギング用のタングステン製ジグのなど今年に入って一気に値上がった感じです。

鉛の代替素材として高比重で安全性が高いという特徴から瞬く間に広まったタングステンは、今や入手困難になっている程です。釣り関係以外でも、超鋼ドリルやスマホ部品、自動車などあらゆる産業に関わっています。

タングステンの輸入の約80%を中国に頼っているので「ものづくり日本」としては相当な痛手ではないでしょうか。

一日も早く共生の道を模索してほしいものです。

さて桜の開花前線が全国的に広まり、気候も次第に過ごしやすい季節になってきました。

 


[全長40㎜]
[重さ2.0g]
[フローティング]

 

そろそろ店頭に並び始めた「マイクロ鱒マックス」

開発のきっかけは、エリアトラウトのトラウトの習性をヒントに、イマカツ既存品であるワスプ50のチューニングが始まりでした。

エリアトラウトのトラウト達は、幼魚の頃から生きた餌ではなく、魚粉を主原料とした高タンパク、高脂質の物を練ったペレット状の物を食べています。

ペレットのサイズは魚の育成サイズによって1.5~9㎜と使い分けているそうです。またペレットには「浮上性」、「沈下性」の両方が存在し、養殖現場や管理釣り場では「沈下性」のタイプが主流です。

これに着目し、沈下性のエサに見立てたボトムでルアーが逆立ちで誘えるプラグを作ってみてはと思い、ワスプ50のリップ先端に極小のタングステンボールを埋め込んだ逆立ちワスプ50を管釣りに持ちこんだところ、ボトムを這いまわるワスプ50にデカマス達がワラワラと襲いかかって来たのです。

 


[ワスプ50のリップ先端にタングステンボールを埋め込んだモデル、ボトムに着底するとリップ先端を支点に、水流によってゆらゆらと動き魚に誘いをかけてくれる]

 

しかし、バス用ルアーでは極小でも、このままのワスプ50ではエリアトラウト用にはちょっとボリュームがあるしウェイトが重すぎる。

しかもリップに埋め込んだタングステンボールによって、ただ巻き時のルアーアクションが不安定になり、まともに泳がない事も。

後日、今江さんから連絡があり、エバーグリーンのスーパースレッジマイクロマックスでワスプ50改と同じようなセッティングで出来ないかと、エバーグリーンから金型改造の了承をもらっているので好きに弄って良いと許可が出たので、早速マイクロマックスの成型品を改造してみたのですが…

 

 


[ルアーが小さくなればなるほど、ちょっとしたウェイトバランスの変化により、アクションが激変、リップ先端だけでなくリップ根元にウェイトを装着したプロトも]

 

ワスプ50の時からの不安材料であった、厚さ1.2mmにも満たない極薄リップにタングステンボールをどのように固定するのか、アクションを安定させるのに最適な場所はどこが良いのか悩んだ挙句、ウェイトの取り外し可能なクイックチェンジャー方式を採用することにしました。

 


[リップ先端にエイトカンを設置してウェイトの着脱を可能とした事で、状況によりウェイト有りナシを即座にでき、またルアーボディとウェイトがフリーになったことでルアーアクションが破綻しなくなった]

 

アクションはウェイト装着有り無しでの使用、用途によってルアーアクションは変化します。
ウェイト装着時の使い方は、キャスト後、テンションフォールでフォール中にバイトがあれば即合わせ、バイトが無ければルアーをそのままボトムへ着底させます。次にボトムのズル引きやボトムのデジ巻き又は15センチほどロッドティップをソフトにしゃくり上げ、ボトムでルアーを跳ねさせて魚を誘います。その他リップ先端のシンカーがボトムを切らないスピードでのただ巻きや一点シェイクも有効です。

ウェイトを装着しない場合は、通常のシャッドやミノーの使い方でOK。スローでのただ巻きやデジ巻き、軽くトゥイッチしダートさせることで魚にスイッチを入れることも可能です。

 


[ウェイト無しでは広範囲から魚を呼び寄せるウォブンロールアクション、シンカー装着時は接近戦での喰わせのタイトロールアクションになります]

 

最後まで悩んだフックの向き、エリアトラウトではルール上余儀なくシングルのバーブレスフックを使わなければならず、トレブルフック使用時よりもフックに対するシビアさが際立っているはずなのですが、ルアーのタイプによってある程度はフックの向きが決まっているものの、各メーカーのフックの向きに標準化は無く、何を参考にすれば良いのか、最終的にはフィールドで検証してみるしか答えは無いと思いました。

一般的なシャッドやミノー、クランクベイトの場合、ルアースイム時やルアー浮上時には姿勢が前傾姿勢になるものが多いため、フロントフックの針先の向きは腹側(フックポイントが後方)になっている物が多数を占めています。これはボトムでのゴミを拾いにくくするとともに、魚が腹側をターゲットにした場合にフックポイントと魚の口との距離が最短であり、またボトム付近にルアーがある場合、魚はルアーの上部斜め後方か真横に喰い付くため、フックポイントは腹側(フックポイントが後方)の方がフックポイントと魚の口の距離に一番近くなりフッキング率が上がるのです。

 


[一瞬止めた時に前傾姿勢で浮上するミノーやマイクロ鱒マックスのようにボトムで立つルアーは、姿勢が頭下がりなのでフックポイントが頭側(フックポイントが前向)だとボディやリップがフックポイントを遮ってしまう(右側矢印)]

 

 

そして問題のリアフックの向きもメーカーによって様々で、各々のアングラーによっても好みのセッティングがあり、絶対にこの向きじゃないとダメだ!と言うのは無いのですが、私の検証結果から、ミノーやマイクロ鱒マックスに関しては、相対的に見てリアフックは下向き(フックポイントが腹側)の方がフッキングは良い場合が多く、しかも口角に深く刺さる場合が多いです。

 


[魚が下から突き上げてヒットする事の多い浮上系ミノーやトップ系のリアフックのポイントは下向き(腹側)が良いとされています]

 

リアフックが下向き(フックポイントが腹側)の場合、ルアーを一瞬止めた瞬間に魚がヒットした時、フックがボディ側に折り畳まれた状態になり、フックポイントが邪魔することなく、フックごとルアーが口の奥深くに入り易くなります。

 


[静止時等にフックが垂れ下がった場合にヒットした瞬間、リアフックのフックポイントが邪魔しにくい(左側)]

 

またフックが折り畳まれないスイム時の場合でも、フックポイントが下向き(腹側)であれば魚がルアーを咥えた時に魚の口に針先が触れ残り易くなります。そして魚が口に入ったルアーを吐き出そうした瞬間には、既にフックポイントが魚の下アゴや口角に触れていて、そのまま魚が反転すれば魚の口角に深くフックがスライドし、フッキングの際にはフックの向きが上側よりもフックのフトコロにより深く刺さり易いのです。

 

 


[スイム時等フックが垂れ下がっていない場合にヒットした瞬間、口腔内の水圧が下がるとともにフックが垂れ下がることでフックポイントがアゴに触れ易く初期掛かりが良い(左側)]

 

 

自分のベストな針の向きを探すのも面白いですよ~

それでは皆さん良い釣りを

マイクロ鱒マックス