株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ
『グッバイ・黒船』
今は無き、本家本元 チャンピオンボート。
その最強にして最大のフラッグシップがチャンピオン221DCX。
過去20年以上、琵琶湖、そして霞ヶ浦を共に戦い続けた愛艇「黒船」。
2ストロークエンジン最強と呼ばれたマーキュリープロマックス300Xレーシングエンジンを積み、大荒れに荒れた琵琶湖ワールド全湖戦で2度に亘って同乗のカメラマン2名の腰椎、尾骶骨を亀裂骨折させた狂気の走りは今も伝説。
荒れ狂う湖北を制し、初のワールドチャンピオンを獲得した黒船。
自分自身も2度の椎間板手術を経験するほど、官能と狂気の走りに惚れぬいた黒船。
3年前、レンジャー520Lブラックバードの登場を機に、
潮来マリーナWATER GEARのボートの匠、石塚さんの手によってハルからトランサムまで強化フルレストア。
エンジンも載せ替え、ウルトレックス搭載、パワーポール装着、更にはカーペット全張替え、新たにラッピングも施した。
しかし、最新型レンジャーボートの目を見張る走破性の進歩と安全性、快適性の前にその出番を完全に失う事に。
あれから3年、黒船は一度も水に浮かぶことなく艇庫での眠りに着いた。
そして今年、新たにレンジャーボート最強無双の521Lフランケン&マーキュリー300Racingが登場したことによって、黒船は完全にその役目を終えることになった。
最新は最善、ラフライドでの痛みすら感じさせず、3人乗り荷物満載、ライブウエル満タンでもクイックな立ち上がりを見せ、110kmオーバーでも安全で余裕の巡航性能を見せるフランケン号。
KOKで実際に見た人もいるだろう、アルミの14フィートでも怯む超絶ドシャローに3人乗りで進入できる驚異のシャロー性能。
車もそうだが、動かさなくなったマシーンは不思議なほどに朽ち果てるのが早くなる。
艇庫で3年の眠りに付く黒船を見て、このまま走ることなく朽ち果てさせる事はあまりにも酷に思えた。
バスボートは水の上に出てこそ、水の上で余命を全うしてこそ本望ではないかと。
やはりバスボートは飾っておくものではなく、湖上で朽ち果てるまで走らせてこそのもの。
暗い艇庫で朽ち果てさせるものではないと。
3年間悩んだけど、決断しました。
この黒船を手放す時は、オークションやディーラーに売ること、見ず知らずの方に売るつもりは最初から1mmも考えていませんでした。
熱烈なイマカツファンであり、3年前からずっと譲って欲しいと事あるごとに声を掛けてくれた、潮来マリーナの真横に隣接するマリーナ、レンタルボート経営のRoute Fishingオーナーの酒井氏にこのたび、黒船をお譲りする事を決めました。
3年ぶりに石塚さんにフルメンテしてもらい、ピカピカにクリーンアップされた黒船は、現役時代の輝きと圧倒するオーラを再び放ち始めた気がしました。
最新最善のフランケンと並べて尚、20数年前のボートとは思えない、「チャンピオンボート」の名に恥じぬ風格と迫力。
「CHAMPION BOAT」は後にも先にも、「CHAMPION BOAT」だけの称号であり、今も昔も唯一無二の存在なのです。
ま、また何時でも気が向いたら乗れるので、お預けするって気持ちですけどね。