株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ
『エラストマーワーム革命前夜』
間もなく店頭に並び出すハドルスイマーエラストマー。
既に発売10年以上になるロングセラー「ハドルスイマー」のエラストマー素材版だ。
若干の金型微修正&改良は行っているが、基本見た目はほぼ変わらず…。
なので、「素材変えただけじゃん!」「丈夫で浮くだけでしょ」と何の苦労も知らないアングラーに軽く見られるのが心底嫌なんで、開発裏話書いておきます。
「ハドエラ」は1年以上に及ぶソフトマテリアル技術革命への苦難の道のりだったんで。
「浮くワーム素材」を使ったハドルスイマーフローティングの開発は、ある意味、浮くハドルトラウト、即ちレイジースイマーの開発過程と被ります。
数年前、最初に手掛けたのが真ん中の「ハドルスイマーコアフロート」。
次に手掛けたのが今やイマカツの定番になった「ハイフロート素材」を使った「ハドルスイマーHF」、
そして、昨年1年テストし完成したのが「ハドルスイマーエラストマー」。
この3段階を経ています。
レイジースイマーにも投入されている「エコフロートマテリアルコア挿入法式」は、もとはダイナゴンで培ったコアショット成型の応用。
浮力は十分だったんですが、非常に手間とコストが掛かる上、内部にコアをホールドする「固定金具」がないため、すぐに「ヒデブ」になってしまうのが致命傷でした。
ま、脱腸ですな。
で、次にテストした「ハイフロート素材」は、4.5インチでは5/0フックを浮かす浮力が足らず、4インチでは脆くてワッキー横掛けピクピクではすぐ千切れてしまいNG。
何よりこの素材はリアル塗装は出来ても、「透明化」が出来ないのが最大のNG点でした。
そして最終的にエラストマーに辿りつくのですが、超難題が3つありました。
1つ最も苦しんだのが「エラストマーはリアル塗装が出来ない」事。
2つめが、「柔らかくすればするほどベタベタと引っ付き、カバーに貼り付いたりする」事。
そして3つめが、「すぐに癖が付く」と言う3点だった。
事実、昨年まではエラストマーにリアル塗装は不可能で、エラストマーには派手か地味の「単色」しかないのが業界常識だった。
結論から言うと、ハドエラは、この3つを散々試行錯誤した末に完全にクリアしたエラストマーの最先端技術の結晶だと言う事。
めっちゃアナログな方法が解決法だったりしますが、樹脂オタクでもないとなかなか気付けない方法だと思います。
もはやイマカツ独自のエラストマーワーム技術は、「3DRエラストマーベイト」すら近々、実現すると確信してます。
この僅か6本のサンプルで丸1年使えてしまったのが、逆にメーカーとして悩みですけど…。
エラストマーなのにリアル塗装がほとんど禿げませんし、ブリードもしないし、癖も付きにくいです。
ま、でもそんな苦労話より、間違いなく釣れるワーム新素材になった事が一番嬉しい。
なんせ、めっちゃ投げやすいし、遠投できまくるのに、超スローシンキング、下手すりゃほぼサスペンドなホバストも出来るので。
浮力が凄いから、0.9gネイル入れても超スローフォールが可能。
当然、水面ピクピクもメチャ浮きピクピクから、水面直下ヒタヒタピクピクまで出来ちゃうわけで。
一箇所でホバって粘れる時間の長さが違います。
ハドエラ4.5インチなんかは、5/0フックに1.8gネイルでも浮いちゃうんで、カバー奥奥デロデロデッド表層巻きも簡単です。
ダダでさえ釣れるハドルテールが浮いたら最後、3DR化したらエラストマーのトドメの終点です。
と言う事で、ハドエラは決して素材を変えれば出来上がり…なんて生易しいモンではあーりませんだみつお。
って事を知っておいて貰いたかったわけです。
最後に、昨年4月頭にハドエラプロトの横ピクで仕留めた七色ロクマル動画をインスタグラムで初公開しましたんで、是非ご覧下さい。
ハドエラ発売寸前まで必死こいて温存していた貴重な映像ですので。