イマカツルアーデザイナー
長井健太公式ブログ
MJプロップ完成!!
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。
毎日毎日、茹だるような暑さが続いていますが、皆さん体調を崩されていませんか?
昭和の頃の夏は、夜中になればエアコンなしで過ごせ、窓さえ全開にしておけば寝られていた記憶がありますが、令和のこの酷暑では、夜中でも気温が30度を超えるような超熱帯夜に安眠を確保するにはエアコンが手放せない状況となっていて、時代の変化をしみじみと感じております。
今夏の電気代が大変なことになりそうですが。。。
さて、ようやく発売までにこぎつけた三原プロ考案・監修ルアー、開発ネーム「饅頭」こと「MJプロップ」は、昨春から開発が始まりました。
三原プロお手製のプロト「MJプロップ」は、饅頭と言われていた通りの楕円で扁平な形をしており、バルサ材でできたボディはコーティングが薄く、プロップは既存のバズのペラを半分にカットし、ペラが1回転するごとに金属ボールとヒットするという構造。そしてペラ軸のシャフト部が線径1ミリにも満たない華奢なワイヤーで作られ、魚を掛ければ簡単に曲がってしまうような仕様だったのです。
「このペラと華奢なシャフトにヒントが隠されていたとは後に知ることになる。。。」

初期型
[バルサ製MJプロップを参考にプラスチック化した初期プロトの一つ、浮力が足らずしかも饅頭姿そのまま笑]
そのバルサ製プロトを泳がせるとペラの回転は少しぎこちなかったものの、ペラが回転するごとに高浮力な饅頭ボディが「ボワンッボワンッボワンッ」と上下に動き、ボディが水を押しのけるパワーにより、ルアーの周囲には高さのあるくっきりとした波紋が広がっていた。
「この水押しアクションはオモシロイ!!」
早速開発に取り掛かるのですが、「プロトはバルサ製で浮力は高くプラで再現できるのか?
ワイヤーは細くペラが回転するたびに撓ることで振動を増幅し、あの上下アクションを発生しているのではないか、でも強度を考慮すると最低でも線径2ミリ以上のワイヤーを使わなければ製品として成り立たない」と頭をよぎる。

中期前半
[饅頭の形からカエルをイメージしたアカンベーガエル。この口から出た舌によってシングルペラ回転摩擦によるボディの傾きを制御、しかし上下運動に悪影響を及ぼしていた]

[最終形態のペラよりもサイズが小さく、そして一番重要なヘッドの上下運動が皆無でした。またラインアイもスイベル仕様だった為、数十投でラインがヨレてしまう代物でした]

中期後半
[ラインアイにベアリングスイベルを採用することでラインのヨレを低減]

[金属クラッカーボールからブレードへ変更されたことで金属サウンドが大きくなり、ブレードのフラッシング効果が追加されることに]
中期後半モデルからブレード仕様になり、ペラと接触する金属音は増したのですが、ブレードの取り付け位置をボディ中心から左側に配置しないと、ブレードがペラと接触した時にペラがブレードを抱きかかえ過ぎてしまい、ペラが半ロック状態になってペラの回転パワーによってボディが回転してしまうのです。そこでFDガードで養った技術を使い、ファインワイヤーにブレードを装着し、ボディ中心から左へオフセットさせた脱着可能構造を採用しました。この構造によりペラとブレードの接触による反響振動がファインワイヤーを介してボディ全体に伝わり、さらなる相乗効果を生み出します。

[工具レスで手軽に脱着できる設計。フィールドのコンディションに合わせた瞬時のアプローチを可能にします]
そして、MJプロップのアクションの要でもある縦ピッチの振動を発生させるペラ。
ペラは小さいと回転はすこぶる良好になりますが、ボディを振動させるほどのパワーが出無い為、上下運動が小さくなります。逆に大き過ぎるペラだと回転モーションが緩慢になりハイピッチな上下運動はしなくなります。
バルサに比べてただでさえ浮力の小さいABS樹脂ボディ。その浮力とのバランスを見ながら、この最終形態ボディに搭載できるペラを選定していきました。

[大小様々なジュラルミン製ペラを試作し取り付けテストしました。大きさや曲げ角を数ミリ変えるだけで全く別物になるのもペラの面白いところ]
このMJプロップの上下運動を増幅させる鍵に、冒頭にあった「ペラと華奢なシャフトとの関係」が出てくるのですが、バルサ製プロト時のペラ穴に対してシャフトが細かったことから、ペラ穴とシャフトとの間に遊びが大きかったことでペラ回転時の不安定さが生れ、よりルアーの振動が増すと言うことに気が付き。それであれば、実釣強度に耐えうるようにペラ軸のシャフトを太くしても、ペラ穴が大きくシャフトとの遊びが大きければ同じ効果を得られるのではないかと仮説を立て、試作を繰り返した末に、MJプロップのハイピッチで力強い上下運動を発生させることに成功したのです。

[シャフトの線径に対してペラ穴のサイズを2倍にした事で、シャフトとペラ穴の間に大きな遊びが生れ、結果ペラ回転時に大きな振動が生れるのです]

[アフターパーツも販売しますのでガンガン攻めた釣りをMJプロップで楽しんで下さいね!]
それでは皆さん良い釣りを
MJプロップ完成!!










