IMAKATSU イマカツ

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K.IMAE TOP SECRET!

株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ

K.imae Today's Tips 25552019/12/06

『メーカーズミーティング』

毎年、この時期になると各スポンサーメーカーの重鎮様達が我が家に押しかけてきます。

今日は昼一から晩飯まで自宅で一緒に食べて更にミーティング…。

色々と数年掛けて開発してきたモノが大詰めを迎えて、ミーティングにも熱が入ります。

スマホの便利機能で、離れた場所にいても複数台のFaceTimeを使えば臨場感?ある多人数ミーティングも可能に。

ホンマ、便利な時代になりましたね。

今日はリール開発ミーティングでしたが、その中でちょっとしたグリップ談議も。

自分のインスピラーレが昔から何故ECSグリップを採用してるのか?

一部、ACSやEGオリジナルを採用した時代もあったが、やはり自分はECSに戻って、今は安定のECS。

 

自分がロッドのグリッピングで重要視するのが、まず絶対に「キャスト精度」。

TOP50レベルのトーナメントでは、まずこの一発で確実に並みのアングラーでは決められない場所にどれだけ正確無比にルアーを投入できるかで勝負の分かれ目になります。

それはオバハンの多いリザーバーや、葦際、レイダウンや岩、杭、特にサイトでは9割以上が「ワンショットワンキル」でなければ釣れる確率は格段に落ちる。

そのためには手首のスナップが効くワンフィンガースタイルが基本で、キャスト時にクラッチを切った状態で出来るだけ「手の平が開かない」事が重要。

手のひらが開くと手首の回転(自由度)が効かなくなるためだ。

以前も、ゴルフボールとソフトボールに例えて解説した事がある。

親指、とくにその付け根が開らけば開くほど、手首の自由度、柔らかさは死んでしまう。

故に自分は最も親指が開かず、適度な「引っ掛かり」があるブランクタッチのECSを選んでいる。

これは「電撃」や「BF」で咄嗟にワンハンドで鋭くあわせた時も、EGタイプやTCSでは雨の日には滑って竿を落としかけたいかれる事が多々あり、ECSに戻した経緯がある。

親指の開きが大きいと、親指の付け根の「腹部分」でEVA部分をグリップしきれなかったからである。

かつて最新のACSを付けた事もあったが、ACSはグリッピングが型にはめられるため、指が痛くなるなど個人差がかなり出てしまった。

ぶっちゃけ、ピュアやダイワさん、メガバスさんの独自金型で成型された扁平薄型でオフセットの深いグリップが自分的にはホントは羨ましい…なんで伊東さんにグリップはデザインして欲しいって今年のショーで言っていたわけ。

富士さんも作ってくれないかなと長年待ち焦がれてます。

また、ダブルハンドで投げると、さらに手首の回転が制限されるため、リアグリップの握りはあくまで支点アシスト。

手首を殺して、肘と肩で投げるとキャスト精度は著しく落ちるのである。

上がインスピラーレのECSグリップ、下がバトルクライのTCSグリップ。

因みにワンハンドでの手首のスナップは、ツーフィンガー、スリーフィンガーの順に手首がロックされ効かなくなる。

自分は瞬時にワンフィンガーでキャスト後、即、ロッドを手の中で滑り落とすようにして握りこみの深いスリーフィンガーに持ち換える事が多い。

アクションの操作性はスリーフィンガー持ちが最も片手ではリール重量の支点の関係でロッドを軽く繊細に操作できるからだ。

超ロングシェイクや高速シェイクにはスリーフィンガーが最も適している。

キャスト精度まあまあ、操作性もまずまずがツーフィンガーである。

そのため、ECSのトリガーをニッパーで半分ほど切り落とし、ヤスリでな滑らかにして使うことが多い。

5分で出来る簡単なチューニングなので、おススメだがまあまあ勇気要ります笑。

ちなみに手首をロックして「肘」でピッチングする人や投げる人にはツーフィンガーがおススメです。

では何故、バトルクライにはTCSを採用したのか?

その理由は、重量のある巻物にはTCSはその形状が手のひら側面に沿う形状になるため、巻物、特に重量級の操作性には非常に適したグリップであ
る。

また手首をロックしてダブルハンドで大遠投したり、抵抗のあるモノを扱うにはTSCには捨てがたい魅力がある。

自分は右手握力が今も60kg以上ある(缶コーヒーを2回握りで縦に折れたら大概握力50Kg以上有ります。)ので、より強く握り締められるECSが好み
なのである。

先日公開したクーガーエリート7’のグリップはECSかTCSでかなり悩んだ。

しかし、片手で投げられる「高精度超軽量7フィートM」のコンセプトからECSを選んでいる。

スパインレスの恩恵を最大限生かすためにも、やはりワンフィンガーで滑りにくく、親指が少しでも開かないECSを選択した。

そして、現在最終段階で悩みに悩んでいるのがディアウルフWild7’だ。

バトルクライよりワンランク柔らかいが、似た性格を持つディアウルフ、まだ最終発表はフィッシングショー頃になるだろう。

因みにクーガーエリート7はファーストテーパーのスパインレス。

一番難しいファーストテーパーのスパインレス化に、スパインチェック許容下限サンプルですら、実際に触ったピュアさんも驚きを隠せず。

最後にこの薮田ロッド「ビートブースター」、グリップに関してACS、ECS、TCSでもない、とても興味深い選択をしている。

これはある意味、新機軸の操作系パワーロッドとして、なかなか斬新かつ独創的なコンセプトである。

また近日、そのグリップの意図に関して解説しよう。

まあ、なんでも爆速、早◯薮田だからね…。