株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ
『横浜ショー最大の目玉?LX992RS』
LTZ930pro-ik/combiのベース機種「LTZ」が生産中止になって以来、
ずっとベイトフィネス難民状態…。
もう既に6年近く同じリールをオーバーホールの繰り返しで大切に使ってきた。
でももはやフレームすら手に入らず、正に機械的限界状態に来てました。
昨年はもはや限界でどうにもならず、沢村さんに緊急ヘルプでLTX/BF8をKTFフルチューンしてもらいなんとか凌いだ1年でした。
ただ自分のBFには機械精度が高く剛性のあるアルミフレームが絶対条件。
KTFでチューンしてもらったベース機種のBF-8もピュアに頼んでマグネシウムボディーからアルミフレームにしてもらった特注品でした。
スプール周りの精度が極めて要求されるBFは機体のフレームが歪むと速攻、キャストフィーリングが劣化します。
なのでアルミフレーム以外は自分的には考えられませんでした。
ま、ピュアのM&Aの影響で、新型ジャパンスペシャルが頓挫してたのも一因。
でも遂に今年の横浜ショーでピュアからABUの歴史でも初と言える衝撃的な発表があると思います。
まあこの2年、ロキサーニのアルミフレームをベースにあらゆるチューニングをピュアと組んでやってました。
しかし、デフォルトのLTZは超えれても、LTZ930Pro-ik/combiに匹敵するレベルには到底達せず…。
KTFのスプールを無理矢理、LX992Zのボディーに組んでみたり、
様々なトライアルを続けてきた2年でした。
しかしながらZPIもチューニング事業から撤退し、どうしてもLTZ930pro/ik-combi、特に「鉄仮面」を組んだ自分のLTZ930には到底及ばず。
930チューンの最後の決め手となったのは、マグユニット以上に実は「鉄仮面」と「π(スプール径)」の存在が鍵でした。
その理由とは…
旧LTZ、LTXのBF機種としての致命的弱点、それが「スプールエンドからレベルワインドまでの距離とラインの角度」でした。
即ち、レベルワインドが両端で止まった状態で「超軽量ルアー」をキャストすると、スプールエッジからレベルワインドの間でキツい角度が付いてしまい、
このキツい角度が超軽量ルアーの低弾道キャスト時には、ラインに最も大きな「摩擦抵抗」を掛けてしまいます。
レベルワインドがセンターで止まった時と、左右どちらかの端で止まったときで、BFのキャストフィールが変わってしまうのです。
やけに軌道がフックするなと思ったら、キャスト時にレベルワインドが最も端に位置していたりします。
これはLTZ、LTX系はコンパクト設計ゆえに、スプールからレベルワインドまでの距離が短い事が仇になっていました。
その影響は想像以上で、BFをする上でマグユニット調整では絶対に解決できない決定的な物理的マイナス要因でした。
沢村さんにチューンしてもらったLTX/BF-8はスプール径が32mmだったため、幾分旧LTXに比べると「マシ」でしたが、その「角度」の悪影響は確実に残っていました。
そして昨年デビューしたロキサーニでは遂にABUも前方にレベルワインドを出し、ロングノーズ化を測ったのですが残念な事にスプール径が「33mm」になったため、
LTX/BF-8の「32mm」とほぼ互角レベルに留まりました。
ロキサーニのアルミフレームを使ったLX992Zは、ロングノーズ化された分、デフォルトチューンでもLTZを凌ぐパフォーマンスにはなったのですが、
LTZ930pro/ik-combi鉄仮面にはやはり及びませんでした。
ただロキサーニがロングノーズ化し「33mm径」にした狙いは、世界市場的に見て14ポンドラインを80m近く巻けるラインキャパを優先したグローバ
ル戦略からでした。
ここがLTZ以来、本格的ジャパンスペシャルが生まれないジレンマでした。
故に自分のLTZ930/ik-combiには疑似餌屋青木君発案の鉄仮面を装着しロングノーズ化を実現。
更に追加ブランキングで強度を限界まで落としたRacinng仕様の「小径31mm」のZPIスプールを搭載する事で、更にライン放出角度の抵抗を劇的に軽
減。
お世辞抜き、手前味噌抜きで究極のBF専用機だと自負しています。
おそらく同じブレーキセッティングで「フルキャスト」と「2.3gスモラバ低弾道ピッチング」を完璧に同時成立させているのはこれだけだと自信を持って言えます。
様々なBFリールを使い比べましたが、それで尚、コレが一番「ストレスなし」と自分は断言できるほどのレベルです。
一度でも実際にこのリールを試合現場で投げた事のあるスタッフ、LFKDメンバーはそれが決して大袈裟でない事が解っていると思います。
とにかく恐ろしいほど「快適」「ストレスなし」「バックラッシュ知らず」なのが自分のLTZ930/ik-combiでした。
それだけに大切に残された12台をローテーションし、6年間も酷使し続けて遂に機械的限界が来てしまいました…。
正直、ZPIがチューニング事業を撤退した昨年、もはや今後もベイトフィネスリール難民は避けられないかと覚悟しました。
しかしなが約2年の難民状態を経て、遂にピュアの親会社も決まりジャパン企画も最スタート。
頓挫しかけていた開発コードLX992が激的な進化を果たす事になりました。
それはもう、今の時点でLTZ930pro/ik-combiにメーカーデフォルト状態で比肩する物が出現するかもしれません。
フレームこそロキサーニのロングノーズアルミフレームをベースにしますが、中身は300%完璧なるベツモノ。
全く音のしない特注セラミックベアリングはもちろんの事、マグユニット、スプールに至るまで、
これぞ「究極のRacing」と自信を持って呼べるものに仕上がる可能性が出てきました。
究極のRacingとは、「誰が使っても快適かつノンストレス」である事。
バックラッシュのストレス、キャスト後のスプール上のライン浮きのストレス、それを解くためのフルキャストができないストレス、
そして弾道が浮き上がるストレス、フック、スライスのストレス、ショートしてしまうストレス等々…。
極限のストレスを受ける試合中だからこそ、その中でも気を使わないでも普段着のように使える使い心地、それが究極のRacingだと思っています。
果たしてその衝撃の全貌は、「横浜釣りフェスティバル」で初公開、初公表されますので、是非ご期待下さい。