株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ
『アンチポッキーM40X誕生!?』
2018年冬、巨匠アオキングがワンオフで作ってくれたポッキーロッド。
腰抜かすほどに超絶軽量軽快超高感度で、まるでキツツキが木をつつくように超高速でネコリグを長時間「叩ける」ロッド。
長年の酷使で超高速シェイクをキープできなくなった自分の右手首右肘でも、このロッドだけは昔と同じくらいに高速ビートを維持できた。
元はアジングロッドのブランクスを改良したもの。
右から2番目がそうだが、他のロッドと比べても一目瞭然。
バスロッドとしては常識はずれの超細身のバット、そしてティップの先まで高弾性。
まあ、三原のRRRアンセムも常識はずれのバットの太さですけど…まさにその対極的存在。
スキニーイール3インチ、4インチを叩かせたらまさに凶器的存在。
ティップまでビシッとした高弾性で、ネコリグを絶え間なく「叩く」感覚で痙攣したかのように泳がせられる。
まるで「ネコリグ」が規則正しい痙攣で「シャッド」に変身したような感じ。
フィネスの極みのようで、実は使い手のフィジカルがモノを言う攻撃的なロッドです。
実際の映像はDVD「TOP SECRET」でふんだんに見れます。
ただ、このロッドの決定的弱点は、あっさり「折れる」こと…。
それこそナベに貸したら、感動のあまり?ブルーギルとのファイトで見事に真っ二つに折ってしまう始末…。
酷い時はネコリグを思いっきり投げた瞬間に3ピースロッドに…。
ノンキー抜き上げて、空中で手で掴もうとしたらまた3ピースロッドに…。
それがポキポキ「ポッキーロッド」と命名された所以です。
試合でもフッキングからファイトまで、常に神経質なくらい優しく扱わなければいつ折れるか不安で一杯。
昨年の遠賀川戦では何度、いいようにボートの下に潜られたことか。
潜られた挙句にはボートの反対側でジャンプするし…。
フッキングも思いっきりできないので、口の硬いデカいやつほどジャンプバレも多かった。
でも、そこまで気を使っても、その超高感度さ、高弾性ならではの高速「叩き」性能は捨てられなかった。
常にスペアを3本は積んでいたほど溺愛していたロッドでもある。
しかしながら、ポッキーを折れなくする物理的解決策がない事は、自分も青木も解っていた。
EGのロッド工場で強度測定を何度もしたが、EGの販売基準強度には遠く及ばなかった。
しかし、昨年冬、思わぬところからその物理的問題解決の糸口が見えた。
「折れない高弾性」、ブラックレイブン/M40XTREME、全てのヒントはこの竿から始る。
超高弾性超高靭性、世界最先端カーボン技術の結晶、「M40Xナノアロイ」の出現がポッキーを劇的進化させた。
使い慣れた高強度高弾性「T1100Gナノアロイ」をティップセクションに、ベリーからバットに超高弾性高靭性M40Xをコンバートするまさかの超高弾性スピニング。
ベイト仕様の超戦闘的カーボンを敢えてフィネス極まるスピニングに投入するという世界初の試み。
その試みは自分の予想を遥かに上回った。
M40Xのフィネススピンへの投入は、スピニングロッドの世界感がひっくり返るほどの衝撃を受けた。
同時にM40X、T1100Gは、「フィネスなロッドにこそ実はその性能を最大限に活かせるのではないか」と言う事実に気が付いた。
テムジン時代に渇望した「折れない、粘る超高弾性ロッド」の実現が、再び自分の中で湧き上がってくるのを感じぜずにはいられなかった。
コンバットスティックの、自分のロッドの、スタイルの原点である「高弾性ロッド」、20年を経てようやくカーボン技術がその原点に追いついてきた。
幻の遠賀川戦となったが、テムジン/グランドスラム「ガゼル」を20年ぶりに引っ張り出したのは、その裏に次を意図する背景があったからだ。
超高弾性、それは即ち「テムジン」の復活なのだ。
インスピラーレで長年培ったT1100Gを、アンチポッキーの「芯」として採用。
ベリーからバットをM40Xで包み込む超攻撃的カーボンレイアウト。
33トンの張りを持つ高弾性ティップは、ソリッドティップのサイトホーク、アンセムに匹敵する繊細で強いティップを可能にした。
チューブラー特有の腰の強さが、ソリッド特有の「もたれ感」「にぶさ」を排除し、まさに超高感度な「叩けるティップ」を実現させた。
繊細なティップに、竿先のブレを最小限にする極小マイクロトルザイトガイドを必要最低限の数でティップに載せている。
敢えてガイド数が増えるジグザグガイドは今回見送っている。
その理由は、ガイド数が増えれば増えるほど、逆にロッドは張りが消えマイルドになっていくからだ。
高弾性の「張り」を最大限活かすには、ガイドは軽く、小さく、尚且つ少ない方が高弾性カーボン本来の張りが残る。
スレッドの樹脂を増やせば増やすほど、超低レジンピュアカーボンに不純物を大量に塗るのと同じ事なのだ。
完璧な高弾性の張りを活かすなら、アンサンド、アンチラッピング(無塗装)、ガイド数最小が必須である。
T1100Gの張りがあって粘る特性を、最大級に活かすには今現在、このセッティングがベストかもしれない。
ただ、さらに「芯」にM40Xを採用すればどうなるのか、既に噂されているカーボン技術の究極とされる「トレカM50X」は実在するのか。
2020年は自分の原点でもある超高弾性高強度フィネスロッドの劇的進化の年になるかもしれない。
と言う事で、本来はまだ居るはずのない自宅に篭って5日間。
今頃、遠賀川予選が終了しているはずなのにと思いつつ、暇に任せて長文記事。
試合用に買い溜めしていたマイ非常食も毎日食べると底を突いてきましたが…
やっぱり、アタリ少なすぎるんちゃうんけっ…なにが走る!キョロちゃん缶やねん、
まったく当たらんから「秘密のルアー缶」なんて自分で作るハメになったんやんけ…
と愚痴りたくなる毎日です。
チョコボール無限に当たらん位に、コロナもあたらん事を祈りますわ。