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K.IMAE TOP SECRET!

株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ

K.imae Today's Tips 28032020/09/03

『ハドルトラウト越え』

さて、自分としての既に8年越しの悲願、それは純粋なスイムベイトとしての「ハドルトラウト越え」。

馬淵がTOP50在籍の頃、試作で作った「クルシアンスイマー」で表彰台を獲得したことから、本格開発を始めたスイムベイト。

要は「リッジテール」と呼ばれるハドルストンのオリジナルテールを超えるものを目指したのがこの時から。

クルシアンスイマーにはハドルトラウトと同じテールを付けていた為、もうこの時点でほぼ完成だったのだが、

これを超えるテールで実現したかったがゆえに製品化を見送ってきた。

それならハドルトラウト使えば良いわけなんで。

ハドルトラウト越えを目指したもう一つの理由がJB/NBCの「エコルール」。

10年ほど前ならハドルストンのスイムベイトも試合で使えたが、JB/NBCがエコルールを制定して以来、海外製スイムベイトはJB/NBCトーナメントで
は一切使用する事は出来ないから。

ま、そこからエラストマー製のイマカツの名作「ブーツテール」が生まれたわけだが。

ただブーツテールは重心設計が正確にできるプラグボディーとは相性がいいが、バランスの微妙なソフトスイムベイトに装備すると速度によっては泳ぎが安定しないのだ。

ハドルストン越えで目指した事、それは…

1、「ハドルトラウト6よりスローで動く事」
2、「ハドルトラウト6より強い波動を出す事(ハドルトラウト6は8に比べかなり弱いので)
3、「高速巻きでもバランスを崩さないこと(ハドルトラウト6のテールを大きくすると早巻きで斜めになる。)
4「TOP50でシークレットだったハドルトラウトF-0(フローティング)同様、SPチューン可能な“フローティング仕様”であること」

そして最後に、TOP50本番でも武器となる「ハドルトラウト6インチ」で、「8インチ」並みの超デッドスローで動き、
速巻きでも姿勢が真っ直ぐ、ボディーはI字系なみに真っ直ぐ泳ぐ事。

この難題を解決するために実に8年もの歳月を開発に費やしてきた。
イマカツ史上、最長の開発期間である事は間違いない。それほどハドルストンは偉大なのだ。

そして、その最長開発期間を経て、遂に先週、初めて「ハドルストンを越えた…かも」と思えるテール開発に漕ぎ付けた。

それが、このまるで泳ぐ姿が悪魔のシッポのように見える通称「デーモンテール」である。

ベース形状はリッジテールに属するが、鋭角にカットオフされたエッジと、

シャープに尖った上下先端部、そして、中央部に水が抜ける「溝(ディッチ)」状の窪みがテールサイドから中央部に設けられている。

この極端な「カットエッジ」と「ディッチ」が、デーモンテールの心臓部である。

超デッドスローでも水を素早く強く引っ掛けるカットオフエッジ(左)、

そして速く巻いたときに水平姿勢を維持するためのデフューザーディッチ(右)。

強く速く水を掴むと動き出しやデッドスローは良いが、薄く小さな6インチのボディーでは速く巻くと斜めに倒されてしまう矛盾を解決した工夫だ。

もちろん、テールだけではなく、各部の鰭によるスイム姿勢制御、浮力コアの配置、浮き姿勢、各鰭の微振動など、8年間も四苦八苦した研究が、ようやくリンクし実り始めてきた結果である。

そして、馬淵が溺愛したクルシアンスイマーを発祥とするこのスイムベイトが、ハドルトラウト6を溺愛する三原をも唸らせる事が出来るかが最終関門だ。

この手のスイムベイトは特に低水温期を得意とするスイムベイトだ。

これから冬にかけて更にテストをやり込み、9年目の春前にデビューできれば最高だ。