株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ
『激レア・フローティングハドルトラウト6inch』
足掛けでは既に8年以上前、クルシアンスイマー開発に当たって目標としたスイムベイト。
それが「ハドルトラウト6inch フローティングモデル」。
当時、スイムベイトのフローティングはハドルトラウト8inchのF-0しか存在せず、
ケン・ハドルストン氏に無理言って、日本向けと言うか、TOP50で使うため特別仕様で製作してもらったのが、
この幻の浮くスイムベイト、「ハドルトラウト6inchフローティング」。
当時のTOP50では全面エコルールはまだなく、ソフトベイト系は内部に「鉛」を使用していなければ試合での使用が許可されていた。
これが幻に近い存在である「浮くハドルトラウト」の内部構造。
クルシアン、ボラル、マレットスイマーと開発を続ける中で、自分のお宝ハドルを泣く泣く解剖。
まさに流石のウェイトを内部に使わない、素晴らしいバランス構造の浮力体。
ケン・ハドルストン氏とメールで直接やり取りした日が懐かしい。
ただ、今や日本のJB/NBCではエコマテリアルでないハドルトラウトはルール上、一切使用できなくなった。
流石にケン・ハドルストン氏にエコ素材で作ってくれと言っても120%無理すぎ…。
てか、恐ろしく難題過ぎて世界でもエコ素材しか使えないトーナメントは日本だけだと思う。
上がフローティングのハドルトラウト6の浮力体。
下が通常モデルの浮力体。鉛が相当使われている。
このウェイト無し状態で、テールがやたら重いハドルトラウトの水平バランスを取る事は至難の技で、
それが開発時の大きな悩みの一つだった。
テール重量が薄く軽く、巻くと上向きに揚力が発生するシャッドテールならヘッドアップを防ぐのはイージーなのだが…。
既にデッドスロー、高速巻きではハドルトラウト6越えは果たした自信があるが、
難題は浮き姿勢。
シングル背針のみ仕様、トリプル1個装着時であれば、ハドルもデモンテールも水平に問題はない。
問題は…
幻のハドル6も、デモンテール6も、テール油ビレ部分にアシストフックを付けると、
どんなに頑張ってもケツ下がりに…。
腹側トリプルでも尻ビレ部分にアシスト付けるとケツがダダ下がり…。
後方まで「硬質浮力体」を入れると、ボディーの撓りがなくなりほとんどハードルアー状態で全然ダメ。
「軟質浮力体」では必ず水を吸ってしまい、絶妙なサスペンド調整が不可能。
ここもホンマに頭痛い難題でした。ましてアシストフック装着時まで完璧バランスとなると…。
まあ、頭上がりの浮上姿勢はバイトトリガーを引く姿勢なので、それはそれでありなのだが、
スイミング時にヘッドアップはいただけない。
恐らく55cm以下など相手にしてないアメリカなら、アシストフックなど意味無し番長丸呑み上等なのだろうが。
エラストマー化してしまえば、浮力は全身均等なんで水平浮きは完璧無敵。
ところがこれは4.5インチサイズまでが限界。
6インチサイズになると今度は全身に浮力が出すぎて、相当な重りを各所バラバラ平均的に入れなきゃ「横倒れ浮き」で制御不能なんですわ…。
今度は逆にテールが浮き過ぎて逆立ちしマクリ。
いやはや、ハドルトラウトフローティング、8年かかって尚未完な理由が各所にあるわけです。
果たしてこの最後のアシストフック問題、乗り越えられるのでしょうか?
いや、絶対コイツとバンビは何年かかろうが、乗り越えて見せます!