IMAKATSU イマカツ

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K.IMAE TOP SECRET!

株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ

K.imae Today's Tips 28042021/08/13

『フックの真面目な話』

さて、珍しい事に自分はこれまで正式なフックのサポート契約をしてきませんでした。

理由は藤木がイマカツにいた時代はイマカツスタッフがほぼ全員バリバスフックのサポートを受けてたこと、自分の名前がイマカツでガマカツと何故か親しかった事、最後に会社として単価や在庫的な事情から複数のフックメーカーとのお付き合いがある事、と言った理由で、敢えて特定のフックメーカーとの契約等は自粛?していたというのが事実です。

でもプロ生活37年、最近は日本市場の、そして世界市場のフック情勢も大きく変わってきました。

そんなここ数年、今江的に試合レベルで信頼して使えるトリプルフックはこの3社にほぼ限定されてきました。

特に最近はルアーの大型化に伴い、フックの善し悪しは#1番サイズ以上を非常に重視するようになってます。

#1サイズ以上の大型トリプルは何かと超ハードに使う事が多く、極小サイズと同様にシビアになりますね。

これまで、長年絶大なる信頼をしてきたのは何と言っても世界に誇る日本のがまかつフック。

今江的にはがまかつ独自の特殊鋼による針先耐久度はやはり世界一だし、ベーシックなストレートポイント、ラウンドゲイブ、ミドルシャンクのデザインが最も好きです。

でも近年、がまかつさんはバス用フックに力を入れてくれてないような…。

その最たる例が、最も使用頻度の高い「RB-Mナノスムースコート(フッ素コート)」、「SP-Mナノスムースコート」は#2番までしか存在しないと
いう悲しさ…。

がまかつのトリプルは#1以上になると、ギンギラギンにさり気あり過ぎな海用フックみたいなシルバー(ハイパーシールド)になっちゃいます。

#1番以上は「RB-MH」ってシリーズになって、軸も一気に太くなるのでゲイブも一回り小さくなります…。

これをビグベにつけた日にゃ、ギンギラギン&太過ぎてマジ萎えちゃいますもんね…。

「がまかつ」はいまや日本ではなく、シンガポールに本店を置くグローバル企業になったためか、日本のバスシーンから離れていってる気がするのは自分だけでしょうかね。

そこで最近はリューギさんのトリプル、ピアス&ブルータルを#1番サイズ以上ではヘビロテしてましたが、ここに来て凄く気に入り始めたのが、数年前からソルトルアー用で噂は聞いていた中国の大手フックメーカーの「BKK」。

その中でも注目したのが「スピア」シリーズ。

なかなか入手困難で、プロショップ大塚に入荷しても瞬殺で#1以上のサイズは売切れてしまう始末。

何が良いかって、まずはいわゆるフッ素コート処理が大型トリプルで施されていて、尚且つ「バスに嫌われないフックカラー」を採用しているのはこの2社だけ。

それでもリューギさんはブルータル2/0までだが、BKKスピアにはなんと5/0まで存在するというから衝撃的。

がまかつのナノスムースコート、リューギさんのTCコート相当のが、BKKスピアの「スーパースライダー」コート。

ま、元祖テフロンコートは登録商標なんで色んな呼び名があるわけですが、みんなフッ素系コートで基本は同じです。

しかも、スピアは今江的に最も長年の経験で信頼している「ストレートポイント」のワイドラウンドゲイブ、ミドルシャンク。

こうやって並べてみると、やっぱがまかつさんは太くて光って、浮いちゃうね。

フックの重さはルアーの重心に決定的な影響を与えちゃうんで、特にデカいフックの重さは想像以上に重要です。

あとBKKには「ウルトラアンチラスト」の「ファングス」ってシリーズもあって、コチラは全然錆びないんで錆びやすいシャッド系の小さな針なんかに気になってます。

そんでもって、一番気になる針先ですが、今江的実戦実感ではフックポイントの鋭さ、初期掛かりの良さは、RYUGI=BKK>がまかつ、

フックポイントの耐久性能は、がまかつ>RYUGI=BKK、って感じです。

簡単に言えば、RYUGI、BKKの針先の鋭さは両者互角の素晴らしい鋭さでがまかつを上回るが、岩や砂、硬いものへの接触強度ではがまかつが勝るっ
て感じです。

ここがフック選択の重要ポイントで、初期掛かりを取るか、耐久性を取るかは個人の釣り場釣り方で判断ですね。

ぶっちゃけ、今江的には初期掛かり優先で、ばんばんフック交換しちゃいます。

特にビッグスプーンは都度交換が絶対必須、クローラーベイト、ジャイアントベイトも3日間本気で使ったら釣れて無くても交換ですね。

因みにフッ素コート系の化学研磨ポイントは、フックシャープナーで研いだらその1回で終わりと思った方がいいです。

2回目からは極端にポイント強度が落ちますので。

これはがまかつも同じですけど。

そんなこんなで、トリプルフックの今江的考察を解説してきましたが、重要なのは実は詰まる所「フックは値段」なんですわ。

因みに#1番トリプルで、

がまかつ RB-MH 5本入り 850円
RYUGI ピアストレブル 4本入り 630円
BKK スピア・スーパースライダー 5本入り 550円(プロショップオオツカでのネット価格ではなんと495円税込み)

って価格になってました。

これって、もしイマカツルアーにデフォルト装備すると考えたらエゲツないコスト差になるわな。

もちろん、フック交換マメにする人には馬鹿にならない価格差です。

あとBKKにはトンデモハップンなビッグサイズのフックも標準ラインナップにあるんで、これからの日本のフック市場を揺るがす存在になるかもしれない非常に楽しみなフックメーカーの登場だと思います。