株式会社イマカツCEO
今江克隆公式ブログ
『アラバマブレードの七不思議』
ここ最近、合法アラバマことヘルター+ブレードのチューニングに凝りまくっていたが、
試すほどにアラバマリグ初心者ゆえの新しい発見が次々にあり、この冬の釣りが非常にワクワクするものになってきた。
そのアラバマ七不思議の中でも最も興味深い事実が「ブレードを増やせば増やすほど、スピナーベイトが潜る」と言うちょっと予想外過ぎる事実である。
本来スピナーベイトは浮き上がりやすいもので、「潜る」と言う表現は非常に違和感があるかも知れない。
ところが、実際にヘルター+ブレード8を使ってすぐに気がついたのだが、
ルアーがボートベリで浮上してくるときの角度が、かなり深いところから真上に上がってくるように浮上してくる。
流れのあるところで下流に投げて巻き上げてきても、全然浮き上がらないのだ。
先日のルアマガロケでのテストでも、最初はヘルター+ブレード12の1/2ozを巻いていたが、なんかイメージより遥かに深いところを泳いできてる感じがし、途中からドン深リザーバーなのに+ブレード8の3/8ozで4m程度なら悠々巻ける事に気がついた。
普通のスピナーベイトではまず不可能な水深を、やすやすとキープしてくるのである。
そして最も衝撃的だったのが、ジンクススーパーヘビー+ブレード10(10枚ブレード)を巻いたときだった。
メインブレードはジンクスミニ3/8ozのブレードに変えているが、もう明らかに2枚ブレードのジンクススーパーヘビーより深いところを引けるのである。
8mはキャスティングでも余裕。
もう、ルアーがボートべりでは真下から上がってくるほどで、まさに「これ、潜ってる???」と思ってしまうほどのディープトレーサーになっていた。
「ルアーのリトリーブ軌道が全然違う」、それはまさに「潜っている」と感じても不思議はない軌道である。
そして、10枚もブレードが付いていれば、引き抵抗はかなり重そうに思うが、それが全く逆なのだから不思議である。
まだ確信はないが、これはヘルターにしても、ジンクスSHにしても、アンダーブレードの抵抗がもたらす姿勢変化が、アッパーブレードの「揚力」よりも勝っているからのように感じた。
まるで、アンダーブレードが潜行力を発揮するスクリューのような存在になっているのかもしれない。
ただこれはどんなスピナーベイトでも起こる現象ではなく、ヘルターの異様に長いヘッドワイヤー、ジンクスSHのおたふくタングステンの超低重心が相まって、初めて発生する潜行軌道なのかもしれない。
恐らく着水からカーブフォール時に、アンダーブレードの抵抗で姿勢が図のように下向きになり一気に潜行している感じがする。
一気に潜って、平行軌道に入るため、まるでルアーが真下から上がってくるような軌道になるのだろう。
いずれにせよ、ブレードを増やせば増やすほど、逆に浮き上がらない事は間違いない事実だ。
これはディープゾーンを誰でもイージーに平行レンジキープできる最高の「誤算」である。
もしかするとアラバマリグでは常識なのかもしれないが、アラバマ素人の自分には衝撃的事実だった。
もしこの事がアラバマリグにも当てはまっているなら、アラバマリグが冬季や早春、ディープチャンネルで有効なワケにも納得がいく。
ヘルターの合法アラバマ化は、本気でアラバマリグを使った事の無い自分には興味津々の発見がまだまだ山盛りありそうだ。
ヘルター+ブレードチューンに関しては、アッパーブレードをボール部で、ハンダ付け固定したほうが圧倒的にトラブルは少ない。
方法は簡単なので、今月末にリリースされたらチューニング法を動画で解説しようと思う。
ただ、ヘルターをシャローで使うときは、ヘルターならではの美しい姿勢での「オスプレイフォール」が出来なくなるのでそれだけは残念。
このオスプレイフォールは強烈にビッグバスに効く、ヘルターならではの必殺メソッドだ。
通常ヘルターの威力はもはや解説するまでもなしの簡単明快。
今年、ステルスと並んで最も使用頻度が高く、最も結果を残した巻物ルアーだ。
ステルスと「ディアウルフ・ワイルド7」、ヘルターと「クーガー・エリート7」はまさに究極のゴールデンコンビである。