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K.IMAE TOP SECRET!

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今江克隆公式ブログ

K.imae Today's Tips 32862023/06/05

『紙一重の完敗・TOP50第2戦小野湖報告』

TOP50第2戦小野湖が閉幕した。
自分の試合は2日間で僅か450gのキーパー1尾、予選44位で終わった。

自分は39年間、メディア、ブログを通じ負けた試合後敢えて言い訳を公に記し残すことで、「まだ折れるな」と自分に言い聞かせ、また前に進むための支え、自分への叱咤激励としてきたところがある。
同時に負けを認める事を潔しとし思った時、激情に近い悔しさを感じ無くなった時がトーナメントの辞め時と考えてきた。

トーナメントは本来、敗者が公に語る資格はなにもないのかもしれない。
だが敢えて今回もここに完敗の舞台裏を自分のための言い訳として記しておく。

 

今回の試合は初日朝一が全てだった。
練習最終日、あるスポットに50㎝はあるオス2匹と、55㎝を悠に超える鯉のようなメスを見つけていた。

今回の練習結果から、この3匹の1尾でも仕留めれば1500g以上は確実、予選2日間その1匹だけでも今試合は余裕で予選突破できると考えていた(結果的にその読みは間違ってないなかった)。
それほど今回の小野湖でのビッグフィッシュは難しいレイクだった。
そしてそのオス1尾、メス1尾を朝一番に自分のミスで連続でバラしてしまった事が今回の結果の全てだったと断言できる。

まるで絵に書いた餅のように狙い通り過ぎた事、朝一で2本獲れば予選通過どころか即座に上位が確定する。
その興奮と緊張が狙い始めたと同時に変更グラスが曇ってしまう程心拍を上げ、身体を硬直させていた。
そのバラしたバス達が戻ることを期待した事と、そのスポットに後から誰かに入られてしまう事を危惧し、初日は3時間近くその場を離れられらかった。
結果、朝一のイージーキーパー場をすべて失う後手に回った。

2日目は43番スタートだったが諦めきれず朝一番からその3匹のビッグバスを狙いに行ったが、動きが広範囲になり仕留めきれず朝一から2時間以上を再びロス。
小野湖は通常土日でも午前9時以降からしかボートが出せない湖で、大会当日のみ7時スタートになる。
故に通常はプレッシャーが全くない午前7~9時までが明らかなボーナスタイム、それを完全に無にしてしまった。

自分が狙っていたキーパースポットは数名に選手が張り付いており、後で聞いた話ではやはり朝一はキーパーラッシュが起こっており、そのキーパースポットは予選上位を多く輩出していた。
キッカーの狙い方、ルアー、そしてキーパーの高確率スポットまで自分の勝負筋は決して間違ってはいなった。

ただ、朝一のミスが全ての展開を後手に回し、高速移動の脚がないエレキ戦で焦りからメンタルを崩してしまった。

 

試合前日に公開された河野の池原ダムYouTube動画を見て、「焦り過ぎやろこれは笑」と皆で笑っていたが、奇しくもこの動画の「20分10秒」のシーンが、攻め方からバスのサイズまで、全てそのまま自分の小野湖戦の朝一と同じ状況である。

 

キーパー1尾に終わってしまった2日目。
朝一を無駄にしてからは、ビッグフィッシュによる逆転上位を狙った勝負に出た。
公式練習でビッグフィッシュを釣っていた、誰もが行く事を躊躇する危険な激流激浅の厚東川最上流でで勝負を掛けた。
だがそれも冷たい雨による水温低下でバスが差している確率はあまりに低いのを承知での危険な賭けに過ぎなかった。

 

更にまず誰もが入らないジャングルのような各クリークの最奥部の最奥部まで侵入し、そのさらに最奥流れ込みのドン詰まりで、ポッパーマウス(旧エラストマウス)の55lbPE吊るしでビッグバスを掛けるが、どうにもネットが届かず無情のバラシ。
最後の最後まで、誰も真似できない自分の釣りで勝負を掛けたが、2日目ノーフィッシュ予選落ちとなった。

 

ただ一つ、今回の試合で納得できる事があるとすれば、それはエレキやボートを壊しかねない激流にも、竿も折れ、傷だらけになる覚悟のジャングル突破にも、怯むことなく今の自分が若いころの自分と全く変わらない行動を最後まで貫けたことだろう。
傍目には馬鹿なオッサンに見えるほどの足掻きだが、これが出来るうちはまだ自分の負けを受け入れていない証だ。

だが、昨年から続く自分の不調の原因は自分では明確に認識している。
そのことについては、今週水曜日公開のルアーニュースクラブRで話すつもりだ。
それは決して後ろ向きな原因ではない。

それは自分にとってプロトーナメントは趣味や遊びの延長ではなく、野球やサッカーと同じ「プロスポーツ」として認識しているからこそ、今までもこれからも、好き嫌いに関係なく絶対に避けて通れない「時代の壁」を超える事を課題にしてきたからに他ならない。
それを諦めた時に自分のバスフィッシングの進化もそこで終わりと思っているからだ。

そしてこの小野湖戦は、やや迷いがあったその決意を明確にしてくれたと言う一点に於いては、意味のある戦いだったかもしれない。

 

*写真提供 ©TOYOSHI_YAGYU (Lure magazine)